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車両主要部のメンテナンス エンジンのメンテナンス セッティング
  • 安全な走行を楽しんで頂く為に常に点検・整備を行い万一部品が摩耗・消耗・金属疲労による亀裂・損傷をおこしていたら速やかに部品交換などの修理を行いましょう。
  • 通常のライディングでは、購入されたままのセッティングで充分ですがより速く走る為にはコースや体重など、ライダーに合ったセッティングをすることが、重要なファクターになります。
    セッティングさえ合えば、ラップタイムを1〜2秒簡単にアップすることが容易に出来ます。
    決して難しい作業ではありませんのでぜひトライしてください。

    尚、以下はノーマルクラスで認められた範囲のセッティングですがチューニングクラスにも応用できます。



エンジンのメンテナンス

  1. 日常の取り扱い

    使用前
    ガソリンと2サイクルオイルを30対1の割合で混合(ガソリン1リッターに対してオイル約33cc)した燃料を使用する。 車輌の燃料タンクに入れたままのガソリンは一ヶ月ほどで使用(始動不良)できなくなってしまいますので、その場合は新しいガソリンと交換しましょう。

    使用後
    エンジンに付いた油や汚れを拭き取り、次回の使用が二週間以内なら燃料コックを閉めてエンジンが停止するまで(キャブレター内の燃料をなくす為に)動かす。 それ以上の場合は、車輌のタンク内のガソリンを全て抜いてエンジンが停止するまで動かしましょう。

  2. エンジン始動不良の場合の点検

    【燃料関連】
    1. 使用燃料
      1. ガソリンが古い、ガソリン以外の使用やオイルの混合比が濃い、燃料タン
        クに直接オイルを注ぐなどしていないか点検する。

    2. 燃料漏れ
      1. 燃料コックを閉めた状態で漏れる場合は、燃料タンク・ホース・ホースの
        取付け部・燃料コックを点検する。
      2. 燃料コックを開けた状態で、キャブレター又はエアクリーナーのケースか
        ら漏れる場合はキャブレターのオーバーホール(分解・掃除)が必要です。

    3. 燃料の詰まり点火プラグ
      *始動操作を行い、エンジンが始動しない状態で点火プラグを外し先端を点検、ガソリンで濡れていない場合。
      1. 燃料ホースにつないだ状態で燃料コックをキャブレターから外しコックを
        開けるとガソリンが流れ出るか、燃料コックの取付け部分にある燃料フィル
        ターにゴミがないか点検し、再度取り付ける。
      2. キャブレターのドレンネジ(燃料抜き)を外し、燃料コックを開けるとガ
        ソリンが流れ出るか点検する。出てこない場合は、キャブレターのオーバー
        ホールが必要です。
      3. 上記の点検をしても点火プラグが漏れない場合は、キャブレターのオーバ
        ーホールかエンジン本体のオーバーホールが必要です。

    【点火関連】
    1. かぶり点火プラグ先端に火花が飛ぶか点検
      *始動操作を行い、ガソリンが送られていながらエンジンが始動しない状態で点火プラグを外し先端を点検、
      ガソリンで濡れている場合。

      1. 点火プラグの先端をよく拭き乾かし後、プラグキャップに差込みプラグの
        ネジ部をシリンダー(シリンダーカバーは不可)に触れさせた状態でスター
        ターを引き、先端に火花が飛ぶか点検する。
        *キャップにプラグを付け、シリンダーにプラグを接触させ点検。
      2. 万一火花が飛ばない場合は、以下の不良が考えられますので、部品の交換
        となります。
        1. ストップボタン
        2. 点火プラグ
        3. プラグキャップ
        4. プラグコード
        5. イグニッションコイル(旧型のエンジンの場合はポイントやCDIユニットも含む)

    【エンジン関連】
    燃料関連、点火関連に異常はないが始動できない、アイドリングが不安定、空ぶかしはよいがのると走らない、スピードが出ないなどの症状はエンジンに何らかのトラブルが発生している為に起こります。

    1. キャブレター
      1. アクセルワイヤー組み付け時のキャブレターへの組み違いを点検する。
      2. キャブレターのオーバーホールによる組み違いを点検する。

    2. エアーの吸込
      1. ネジやボルト、キャブレター取付けの緩み、パッキンやガスケットの不良、
        クランクケースなどの亀裂や割れによるエアーの吸い込み、点火プラグの緩
        みなどを点検する。

    3. 長期の保管後
      1. 点火プラグを外し、スターターが軽く引けるか点検。保管方法が悪かった
        場合、エンジン内部のベアリングやピストンなどが錆びて引けなくなる場合
        があります。(オーバーホールが必要)

    4. 異物の侵入
      1. フライホールに金属などの異物が付き、点火コイル部でロックしていない
        か点検する。尚、点火コイルの取付けボルトが緩みフライホイールに接触し
        ロックする場合もあります。
      2. エンジン内部への砂やゴミの吸い込みが原因の故障。(オーバーホールが
        必要)
      3. キャブレターやエンジン部分が破損してエンジン内部を損傷させた故障。
        (オーバーホールが必要)

    5. クラッチ
      1. クラッチスプリングが折れていないか点検する。スプリングが折れるとス
        ターターを引いた時、車輌が動いたりアイドリング運転が出来なくなります。
      2. クラッチシューが残っているか点検する。シューの摩耗が進むと破損し、
        部品が回転部に噛んでスターターが引けなくなる場合があります。

    6. 焼き付き
      1. オイルが混合されていない、またはオイル混合比が薄い為に起きます。
        (オーバーホールが必要)
      2. 雨の日や、濡れた路面での走行で水を吸い込み、オイル切れで起きます。
        (オーバーホールが必要)
      3. チューニングなどによるエンジン回転及び出力向上で基準の混合比ではオ
        イル不足になり起きます。(オーバーホールが必要)
  3. エンジンのオーバーホール
    1. キャブレターのオーバーホール
      1. キャブレターをエンジンより外し分解する。(再度同じように組み立てら
        れるように、メモなどをとりましょう)キャブレターの部品は大変小さくな
        くしやすいので、注意してください。
      2. 取り外せる部品はなるべく外し、灯油やキャブクリーナーなどでよく洗い
        ゴミや汚れを落とします。キャブレター内がオイルでベトベトしていたり、
        茶色の塗料のようなものがついている場合は、燃料を入れたままで長期間放
        置したため、ガソリンが気化して残ったカスなので取り除いてください。
      3. よく乾かした後、もとどおり組み立てます。(エアーダスターなどを使用
        し小さい穴なども清掃してください)


      キャブレター分解図
      《作業注意点》
      ニードルバルブ
      燃料をキャブの中に入れたり停めたりする役割で、ここにゴミなどがつまり
      動かないと燃料がキャブから漏れたり(オーバーフロー)、燃料が流れなく
      なります。キャブのトラブルで一番多い原因なので必ずチェックしてくださ
      い。フロートピンを抜くと外せます。
      ピストンバルブ
      ピストンバルブには向きがあるので、取り付け時に注意。
      フロートヒンジ
      ヒンジには曲がりやすいものがありますので、曲げないよう注意。
      メインジェット
      エンジンへ送る燃料の量を決めている部品です。エンジンのセッティングに重要なもので、いろいろなサイズがあります。穴のつまりに注意。
      ジェットニードル(ニードルピン)
      ピンにはまっているニードルクリップをスプリングレシーブで抑えるよう組
      み付け時に注意。
      パッキン類
      バッキンがなかったり、破れていないか点検する。特にキャブとエンジンの
      間のパッキンに注意。
      小さい穴
      キャブレターにはいくつもの小さい穴があります。一つでも詰まると不調に
      なるので、チェックします。尚、穴を針金で刺したりして大きくしてしまう
      とそれも不調の原因となります。

    2. エンジン本体のオーバーホール
      1. 車輌からエンジンを外しますが、取付けボルトを解るようにしておきまし
        ょう。
      2. エンジンに付いた汚れを出来るだけ拭いて落としましょう。
      3. 部品が破損していないか、不調の原因はないか調べながら分解しましょう。
        (部品には取りつけ向きなどがあります。再度組み立てられるよう、メモな
        どをとりながら作業しましょう)
      4. 分解したら灯油やパーツクリーナーなどでよく洗い、乾かします。尚、パ
        ッキン類は再利用できません。

      ロビン製エンジン分解図
      ゼノア・タス製エンジン分解図
      《作業注意点》
      シリンダ
      内部を点検し、内壁に傷などがないか点検する。水を吸い込んで起きた焼き付
      きの場合は、傷などがなくても交換の必要があります。
      ピストン
      外壁に傷がないか、変形していないか点検する。組み付け向きがあるので注意
      してください。
      ピストンリング
      リングが折れていないか点検する。ピストンを変えたらリングもセットで交換
      する。リングは折れやすいので取り扱いに注意しましょう。
      ピストンピン
      ピンを外し、ベアリング部が焼けたように変色していたら交換する。
      ピストンニードルベアリング
      錆びていたり黒く変色していたら交換。ピン交換時は同時交換する。
      ピストンクリップ
      ピストンピン脱着時に交換。無くしやすいので注意しましょう。
      クランクシャフト
      コンロッドの曲がり、コンロッドのベアリングが錆び付きや破損、クランクシ
      ャフトのケースベアリング挿入部が減ってガタガタなら交換する。エンジン振
      動が異常に大きい場合は、クランクシャフトの芯だしという作業もあります。
      クランクケース
      回転させゴリゴしたり、軽く回らない場合は交換する。
      ケースベアリング
      回転させゴリゴしたり、軽く回らない場合は交換する。
      オイルシール
      ケース外側に漏れた形跡があれば交換。シールは消耗品なので年数を経過した
      エンジンについては交換する。
      リードバルブ
      リードバルブの弁に砂やゴミが挟まっていないか、リード弁が確実に閉じるか
      点検する。
      パッキン類
      パッキンは基本的に再利用できないので、オーバーホール時は交換が必要です。
      点火コイル
      点火コイルを取りつける場合は、フライホイールとの間を0.4mm程隙間を
      開ける。
      クラッチシュー
      シューの残りが1mm以下なら交換しましょう。アルミ部分が接触するとクラ
      ッチドラムを傷つけてしまいます。
      クラッチスプリング
      クラッチスプリングがのびていないか点検する。
      スターター
      スターターは分解修理できませんので、壊れた場合は交換です。

      ライフ仕様エンジン外装
      ライフ仕様エンジン分解図

    ライフ仕様キャブレター分解図

TC351エンジンメーカートルク基準表

締め付け箇所         使用ネジ      締付トルク(Nm

クランクケース      M5 キャップボルト        6〜9

シリンダー        M5 キャップボルト        6〜9

マグネットローター    M8 ナット           15〜20

スタータープーリー    M8 ナット           15〜20

クラッチ         M8 段付ボルト         20〜25

ファンカバー       M5 ナべコネジ          4〜6

イグニッションコイル   M4 ナべコネジ          2〜3

マフラー         M6 キャップボルト       10〜12

マニーホールド      M5 キャップボルト        4〜6

クラッチアウター     M6 キャップボルト        6〜9

スターター        M4 ナべコネジ          2〜3

シリンダーカバー     M5 キャップボルト        4〜7

   〃         M5 ナべコネジ          4〜6

スパークプラグ      M14                            10〜15

参考: シリンダー・クランクケースの締付トルクは、7~7.5N・m位が基本数値となります。

  尚上記は、一般的な参考指数です。ネジ山やタップ等の状況も正常か確認の上、ご参照下さい。


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